スムトコシレトコ

暮らす人の本音

Realistic & Honest

#04 岩村さん(地域おこし協力隊/移住者)

なんとなく聞いたことのあった知床へ

岩村さん:東京にある美術大学に通うため立川市に住んでいました。大学3年生から賃貸契約していた家を解約し、実家にすべての荷物を置いてホテルやドミトリーに泊まり旅人ごっこをして過ごしましたね。当時は、コロナ禍ということもあり授業もリモートで受けられたので、比較的動きやすい環境でした。

岩村さん:バイト先の方に紹介いただいた写真家の方に斜里町を教えていただきました。1週間後に北海道へ行くお話をしたら、斜里町の農家さんを紹介してくれたんですよ。それで斜里町へ行くことを決めました。

岩村さん:勢いで住もうと思っていた事実はあるのですが、斜里の町で開催されている「葦の芸術原野祭」に誘っていただき、運営チームに携わりながら町のことを深く知りはじめたと同時に、斜里町でエジプトを見たことが決定打になりました。たまたま美容室の建物を見学させていただいたのですが、3階の物置へ続く不恰好なハシゴを登った際に、いつか行きたいと思っていたエジプトのような空気感と光の差し方をした3階の部屋を見てとても心が惹かれました。

岩村さん:すでに斜里には居たので、知り合いのつてで斜里町が地域おこし協力隊を募集していることを知りました。直接今の職場である図書館の館長とお話をし、町としても新しい試みである図書館メンターの職に興味を持ち、面接を経て採用いただきました。ただ、仕事は見つかっても物件探しに苦労するかと思いましたが、バイトをしていた農家さんに賃貸物件を教えていただき、現在は一軒家を借りて住んでいます。自身も創作活動を行っているので、大きな家に住みながら日々の創作活動を楽しんでいます。

岩村さん:何か作業をしていて煮詰まったときに、海や山に気軽に行けるのが斜里の最大の魅力だと思います。あと、実際に体験してみないとわからない部分もあるかと思いますが、風が山と海とを繋げて吹いてくれる感じがするんですよね。どこにいても、山や海や森を風を通して感じることができて、なんか不思議な感じがするんです。
あとは、季節ごとに小麦・じゃがいも・ビートが畑に植えられていたり、収穫されていたりと、農作物の変化にもびっくりしたりしてそういうのも個人的には魅力的です。
また、自身の創作活動で流木を使ったりするので、浜で流木をいっぱい拾えるのが楽しいです。たまに、外国のものが漂着していたりして異国を感じられるのも面白いですね。

岩村さん:引っ越してくる前は、実家で毎日先祖や親族の顔を見ていたのですが、斜里には親族が誰もいません。たまに、自分が誰なのかわからなくなることがあるんですが、新しい土地に来て、新しい自分を見つけられることに今は楽しみを感じています。
また、東京にいた頃は、他人の目を気にして自分の気持ちをごまかすことがあったのですが、斜里に来てからは自分がやってみたいと思うことに対して素直に反応できるようになりました。

岩村さん:冬は鼻毛が凍るほど寒いですが、季節の移り変わりがすごく素敵な町です。みなさんにお越しいただき、みなさんの肌で季節を感じていただけると嬉しいです。