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関係人GO! | 北海道大学×知床・斜里町体験レポート<4>K・Kさん

北海道大学 文学部 2年生
K・K

こんにちは!今回、僕は春休みの期間を利用して『北海道大学×斜里町 現地密着プログラム』に参加させていただきました。ここでは斜里町での一週間の生活やプログラムを通して感じたことについてまとめていきます。

普段僕は北海道大学文学部で言語についての勉強をしています。そんな「知床」という環境に文字通り縁もゆかりもなかった僕がこのイベントに参加したのは、メディアを通してしか知らない世界を自分自身の目で、肌で感じたい、そして北海道でしかできない経験をしたいという二つの理由からです。

川をめぐるジレンマ
プログラム初日は斜里町役場水産林務課の方の業務に随伴させていただきました。最初に訪れたのは河川工事の現場です。かつての斜里では、洪水による農業被害を防ぐために川の流れをまっすぐにする工事が行われていました。しかし、それは川を遡上するサケが途中休憩するための場所を奪ってしまっているなど、生態系においては必ずしも良い結果を生んでいるわけではありませんでした。

見学した作業現場では、その反省から川をできる限りありのままの姿にするための工事が行われていました。 山と海を繋ぐ、知床の自然環境を形成するのに欠かせない川、そして暮らしのそばで絶えず我々に影響を与える川、二つの側面が垣間見える貴重な経験でした。また川をめぐって、洪水を避けたい農業関係者とサケの水揚げ量が減少することを避けたい漁業関係者の気持ちがぶつかり合う中で、その間を取り持たなければならない役場の方々の仕事の難しさも実感しました。

河川工事の現場

自然遺産「知床」を守る難しさ
四日目は商工観光課の方に知床五胡や天に続く道など斜里町の観光名所を案内していただきました。そこで学んだのは、雄大な自然を観光資源とするからこそ生まれる功罪についてです。

職員の方が懸念されていたのは、たった一度の事故がもたらすネガティブなイメージの影響力です。プログラムを通じ、町における遊覧船事故やヒグマによる人身事故の爪痕がいかに深いものなのか思い知りましたが、同時にこれらの事故が人々の「知床」のイメージに落とした影もまた、計り知れないでしょう。事実、僕自身も現地を訪ねるまで知床遊覧船やヒグマ遭遇に対する不安が、頭の片隅にありました。そして、流氷ウォークのように町外でも行われているアクティビティについては、他地域での事故による風評被害を受けるリスクを孕んでいます。だからと言って役場が自治体の管轄を越え、直接的な予防策を講じるわけにもいきません。観光資源をどう守っていくのか、外からは見えない行政の葛藤や責任の重さについて深く考えさせられました。

また、斜里町の一部は国立公園に指定されているため、その管理運営は役場・環境省・林野庁の三者によって行われています。そのため、問題発生時にスムーズな処理が難しくなってしまうという、知床ならではの課題についても学ぶことができました。

発表のためのブレインストーミング

斜里町での暮らし
斜里町では一週間の間、初対面の仲間4人とともに「関係人GO!ラボ」で共同生活を送りました。同じ大学とはいえ、このプログラムまで顔を合わせたこともなかったメンバー。慣れない環境での暮らしは非常に新鮮で、心なしか以前よりコミュニケーション能力が上達した気がします笑

特に、その日学んだことを共有しながらキッチンで夕食を共に作った時間は忘れられません。 また、一階のワーキングスペースでは最終日の町長へのプレゼンに向けて、ブレインストーミングを行ったり、プログラム終了後にはお世話になった方々を招いてタコパを開催したりしました。

最後に
斜里町での日々はプログラムの目的であった現場のリアルを肌で感じることができる、非常に充実した一週間でした。

期間中、特に印象的だったのは役場の皆さんはもちろん、町に関わる方々が互いに親しく交流している姿です。町全体として人と人との心理的な距離が近く、そのつながりによってこの町が成り立っているのだと感じました。

毎日の移動を含め、僕たちを全面的に支えてくださった関係者の皆さんのおかげで、一週間を不自由なく過ごすことができました。関わっていただいたすべての皆さん、本当にありがとうございました!

Updated / 2026.03.06