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関係人GO! | 北海道大学×知床・斜里町体験レポート<1>竹内未奈さん

北海道大学大学院 / 生命科学院 / 生命科学専攻 / 生命システム科学コース
修士1年 竹内 未奈

こんにちは。北海道大学生命科学院修士1年の竹内未奈です。普段はオキナワトゲネズミという生き物を対象に、哺乳類の性別がどのように決まっているのかについての研究をしています。このオキナワトゲネズミという生き物、大変面白い染色体を持っているんですが、森林開発や移入種によって数を減らしており、現在は絶滅危惧種となっています。そんなこともあり、環境省のレンジャーなど、希少種や生物多様性の保全に寄与できる仕事がしたいと考えているため、行政における自然環境との関わり方を学びたいと思い、今回のプログラムに参加しました。

5日間ということもあり、大変多くのことを学ばせていただいたのですが、特に印象深かったのは知床財団さんたちとの森づくりを体験した1日です。森の多様性がより豊かだった過去の知床に戻すため、広葉樹を植樹し、シカに樹皮を食べられないよう保護ネットを巻く。私たちは、この樹皮保護ネットの巻き直し作業を体験させていただきました。これが想像より遥かに労力を要するもので、環境保全がどれだけ人、お金、時間を必要とするのかを身に染みて学ぶことができました。

具体的には木の周りに積もった雪を掘り下げ、古くなったネットをカッターで剥ぎ取り、新しいネットを適切な長さに切って結束バンドで巻くといった作業だったのですが、木の根元からかなり雪が積もっていたために、学生5人がかりでも、午前中いっぱいで木一本分の作業しかできませんでした。植樹されている一画を始めに目にしたときは狭い範囲だなと感じたのですが、実際に作業を終えられたのはその範囲のごく一部で、辞書の製作を「舟を編む」と例えた小説を思い出しました。森づくりって街を編むくらい大変なんじゃないでしょうか。

午後は知床のかつて切り開かれたところや原生林のままになっているところを案内していただき、途中、山ぶどうが絡みついている木にヒグマの爪痕があるのを見せてもらいました。ヒグマといえば鮭を食べているイメージが強いですが、どんぐりがあればそちらを優先して食べること、山ぶどうが好きで爪痕のある高さまで木を登ることなど、実際に森を歩きながら教えていただけたことがすごく記憶に残っていて、とても有意義な時間でした。こういった、五感で感じながら学ぶといった体験が、環境を観光に生かすうえでとても大切なことなのではないかと改めて思います。

そんな知床の森での体験を終え、宿泊させていただいていたラボに戻った後は、参加メンバー皆でスーパーに行き、カレーを作りました。6泊7日の滞在ということもあり、自炊できる調理器具や炊飯器、洗濯機などがあったのはとてもありがたかったです。また、協力しながら料理をしたり、いろんな情報交換をしながら同じ食卓を囲んだりした時間はとても楽しくて、斜里町での生活をますます魅力的にしてくれました。

カレーを食べた後は歩いて10分ほどのところにあるグリーン温泉に赴き、冷えた体をポカポカに温めてもらいました。滞在中ほとんど毎日通っていて、最終日付近に常連さん達と「おやすみなさい」のやり取りができたときが一番、斜里町で生活していると感じられたときであるように思います。

この日以外も学びが多く、充実した日々を斜里町の人たちや一緒に参加したメンバーのおかげですごすことができました。

今後は、自身の研究を深めるとともに、行政や現場の視点も大切にしながら、生物多様性の保全に貢献できる人材へと成長していきたいと強く思います。貴重な機会をいただき、本当にありがとうございました。

Updated / 2026.03.06